はじめまして、POLS（ぽるす）のプロデューサやってます丸山洵平です。

このたび、POLSのものづくりや、西脇産地のことを、伝えていければと思い、コラムのようなものをスタートすることにしました。初回は、自己紹介と、どんなことをやっているかをお伝えしたいと思います。

POLSは、株式会社丸萬　と、株式会社KAJIHARA DESIGN STUDIOの梶原加奈子氏とのコラボレーションで生まれたブランドです。

株式会社丸萬                 MARUMAN inc.  / http://www.maruman-inc.jp/

兵庫県西脇市、創業1901年のテキスタイル播州織のメーカー。メーカーと言っても、機械がガンガンある工場ではなくて、地場にたくさんある分業になる工場さんに依頼している会社になります。産地の営業代表として、東京に出たり、生地の企画を行います。産元（さんもと）という言い方をします。

株式会社 KAJIHARA DESIGN STUDIO / http://www.kajihara-design.com/

代表の梶原加奈子氏は、元 ISSEY MIYAKE のテキスタイル企画の後、ロンドンのRoyal College of Art という大学院を出て、数々のテキスタイルメーカーの企画アドバイスなどをされています。2013年には、トレンドの最先端として、世界で最も注目される生地の展示会  Première Vision Paris PVアワードでグランプリも受賞されました。

【左から：　組織デザイナー　上田善則　、クリエイティブディレクター＆デザイン　梶原加奈子　、　プロデューサー　丸山洵平　】

よくある、デザイナーを軸とし、その世界観で広げていくブランドではなく、なんというか、テキスタイル作りをコアとした丸萬を、梶原さんという表皮で覆った存在です。丸萬は、ジャカード織りという、『柄織の組織』(がらおりのそしき)を自在に組むことができる、組織デザイナー上田氏の技術が優れていまして、（手前味噌ですが）、それを梶原氏のテキスタイルデザインで表現しています。

それぞれの会社がPOLS以外にも色々な仕事を手掛けています。株式会社丸萬は、もちろん今でもテキスタイルをたくさん作っている会社で、梶原さんは、北海道を拠点に、東京で活躍されているデザイナーで、他のブランドのディレクション、デザイン、他、多岐にわたります。また、丸萬と梶原さんの共同企画として、パリやミラノ、NYのマーケットに日本のこだわったテキスタイルを提供したりもします。

日本のテキスタイルの産地は、いま、どこも結構苦境にあり、生産量がどんどん減っていってしまっています。中国が世界の工場と呼ばれるようになってどれほどになるのかわかりませんが、世界のマスマーケット向けのテキスタイルの９５％以上は、日本以外の国で生産されています。

第一線のサッカー選手が試合に出ないと、『感が鈍る？』、と考えられるように、『作る』という活動も、試合の様な緊張のある活動がないと技術が落ちると思います。人の手にしてもそうだし、大きな工場の機械にしてもそうだと思います。そういう意味で、何とか作り続けたいと思う繊維産業の方々は多くいらっしゃると思います。

そんな現状をなんとか変えようと、片山象三氏が西脇市の市長になり、西脇市の政策で、『ファッション都市構想』という政策を立ち上げました。要は、産地が『テキスタイルだけの生産ではなく、服とか、最後まで作ってしまおう。』という運動です。

西脇ファッション都市構想　/    https://nishiwaki-fashion.com/

これは、繊維産業に従事していたり、恩恵を受ける人の人数が多い西脇市だからできることで、他の繊維産地では、特定の産業だけを優遇することができないと思います。あまり知られていないですが、陰ながらすごい動きだとおもいませんか？

そんな『ファッション都市構想』の一環で、注目してくれたパタンナー＆ウェアデザインで宮本氏に、2018年から参加してもらいました。パタンナーならではの、ディティールをわかったデザインをしてくれています。SS２０のバイヤー向け展示会がこれから続々、始まるのが楽しみです。

【　パタンナー　＆　ウェア・デザイナー　宮本祐子　】

丸山洵平　JUMPEI MARUYAMA /  Producer & Director

梶原加奈子　KANAKO KAJIHARA / Creative Director & Designer

上田善則　YOSHINORI UEDA / Jacquard Designer

宮本祐子　YUKO MIYAMOTO / Patterner & Wear Designer

２０１９年８月　丸山洵平